二葉塾長のつぶやき

カルト団体の巧みなカムフラージュと政界とカルト団体との癒着は別々に対応すべき

旧統一教会の一般的な認識

安部元首相殺害事件から、事件は、思わぬ方向に振れてきました。私たちの世代より上の世代(1980代中盤以降を、ライブで生きてきた人たち・・・)は、一度は耳にしたことがある「統一教会」。当時は、いわゆる「霊感商法」の実態や、有名芸能人やスポーツ選手が入会し、参加した「合同結婚式」の様子が、「芸能ネタ」として盛んに取り上げられていました。

その後、「オウム真理教」が悪い意味で力と存在感を見せ始め、いつの間にか、「統一教会」の話題は、マスコミから消えていきました。その後、今日に至るまで、私自身、存在は知っていたものの、他の宗教団体と同じように考えていました。

しかし、「統一教会」は、2015年に名称を「世界平和統一家庭連合」と、もっともらしい名前に変えて、未だに「霊感商法」と不条理なお布施の強要を繰り返していたようです。つまりは、1980年代と何も変わらない状態で、現在まで存続していたようです。

そして、この2週間余り、驚くべき事実が次々と明らかになっています。鮮明に地上波は、このニュースのトーンを下げてきていますが、現代は、SNSがあるので、ネットの世界では、新事実がどんどん出てきています。

政教分離の考え方と、今回の事件との根本的な違いとは?

憲法にも「政教分離の禁止」を書いてありますが、この考え方は、簡単に述べると、国家が特定の宗教を国民に布教することを禁じている内容となります。これは、大日本帝国憲法にまでさかのぼりますが、天皇と神道が結びついて、太平洋戦争のような惨事を招いたことを、終戦後のGHQが重く受け止め、新憲法に盛り込んだとされています。

今回の根本的な問題は、「政教分離」ではなく、「国家と特定宗教団体の相互癒着」にあると思われます。しかも、その相手は、韓国を拠点とする「統一教会」だったわけです。韓国側が、日本の政界に侵食し、統一教会の教えを日本国民に浸透させようという狙いがあったことは、まぎれもなく明らかだろうと思います。

「旧統一教会」の巧みなカムフラージュ

確かに、山上容疑者の言う通り、安倍元首相の実祖父にあたる、岸信介元首相との関係があるのは、事実のようです。

しかし、岸信介首相は、「統一教会」の布教に尽力したものではなく、そのダミー団体である「勝共連合」を立ち上げ、その趣旨に賛同して協力したというのが事実のようです。

このように、「旧統一教会」は、様々なダミー団体(フロント団体?)を作っては、日本の政治との癒着を積極的に行ってきたのは事実のようです。従って、教団の方は、選挙活動に際して、無償で選挙運動員を派遣することや、組織票を政権担当する党の候補に分配するなどの活動を行ってきました。

一部の政治家(国だけでなく、地方公共団体にも及んでいるようです。)は、そのダミー団体が「旧統一教会」だと知って利用していた節もあるように報じられています。しかし、大半の議員は、メッセージを送る団体が、「旧統一教会」とつながっているか、分からないまま、祝辞を送ることも、多かったようです。

現に、福岡でも、「YSP福岡」という国際団体があり、その団体が主催したイベントに、福岡の民放4放送局すべてが協賛していたという事実が報道されました。私自身も、「YSP福岡」という団体は、知っていましたが、まさか「旧統一教会」と創始者が同じということは、まったく知りませんでした。

団体の主催イベントの趣旨を読んでも、どこにも不審な点はなく、私でも、協賛OKを出していたことでしょう。

1990年代以降、さまざまな、NPO(非営利組織)や、NGO(非政府組織)が乱立しています。その中で、「旧統一教会」の息のかかったダミー団体が、多数存在しているようです。その実態は、まだすべて把握しきれていない状態だと思います。この点が大きな問題でしょう。

「旧統一教会」の信者勧誘と多額の献金の行方

「旧統一教会」は、当時から、これらダミー団体の主催するイベントに参加した人々の中から、広告価値がありそうな人や、信じやすそうな人をピックアップして、いわゆる「ビデオサロン」に呼ぶという形で、初動の勧誘を行っていたようです。その後、趣旨に賛同しそうな人に対して、4,5か月が経過したのち、実は「統一教会なのです」という真実を明るみにするそうです。そこで入信してしまう人と、逃げる人が当然出てきます。逃げる人に対しては、その後、勧誘の電話や、信者たちの親切な行為・・・(食べ物を差し入れして、また一緒に活動しましょう!というような形だといわれています・・・)など、あの手この手で信者を増やそうとしてきたようです。

それにしても、「霊感商法」といわれるように、私たちから見ると全く価値のないものを高額な価格で購入したり、毎月の月給の約15%を寄付させたり、不定期ですが、強制寄付(約100万円単位)をさせたりと、莫大な資金を集めたわけですが、それらは、どこに行ってしまったのでしょうか?

これも、取材記事の情報ですが、1975年に、初代教祖である文鮮明氏が、日本を「経済部隊」と指定して、日本から多額の献金を集めるよう指示したそうです。一部の情報によると、問題になっている「霊感商法」は、日本だけだとか・・・。

「旧統一教会」の活動範囲は、北朝鮮をはじめとして、全世界に広がっていますが、その活動資金の実に7割以上が、日本人からの献金であることも明るみになっています。当然、当の「旧統一教会」は、この事実を認めるはずもありませんが・・・。

今後、どのように対策を施すべきか???

このような、悪徳布教を許してしまったのは、まぎれもなく「政治の圧力」だったようです。韓国が経済危機に瀕していた、1990年代後半には、弁護士への相談があった分だけでも毎年数百億円もの大金が、韓国に流れていたようです。そして、2000年代には、実際に警察が違法な霊感商法を検挙した事例も複数あがっています。しかし、私たちの耳に届いていないのは、やはり「政治の圧力」だったことは否めないでしょう。

安部元首相を失い、国をあげて弔うのであれば、これらの問題に正面からぶつかっていってもらいたいです。しかし、同時に、そう簡単に解決できる問題ではないのも事実です。

まず、困難が予想されるのは、「旧統一教会」関連のダミー団体を、どのように選別するかという問題です。これは、現状の体制では、「旧統一教会」が真摯に協力しない限り、完全な仕分けは、ほぼ不可能でしょう。おそらく、法律単位で改正して、実際に多額の公金と人材を導入しないと、完全に断ち切ることは困難かと思います。が、やらねばなりません。

次に、問題の本丸ですが、「旧統一教会」と知っていて、「持ちつ持たれつ」の関係を築いている政治家の炙り出しです。かなりの権力者が予想されますし、自民党の青山議員の説明によると、派閥の長レベルだといわれています。ここは、国会、野党の力の見せどころではないでしょうか。きちんと調べていくことと同時に、しっかりと国民に発信していくことが重要だと思います。すでに立憲民主党や共産党など調査チームを立ち上げています。超党派で調査を実施し、健全な形で機能することを願うばかりです。

わたしたちができることは?

基本的に、「宗教の自由」は、憲法によって保証されています。ここに言及するわけではないのですが、新興宗教は、すべて悪!という考え方でものを見るのも、違っているように思います。そもそも「カルト」という言葉は、「=新興宗教」ではなく、正体を隠して勧誘したり、お布施を強要したり、肉体の極限まで修行を強要したり・・・など、異常な活動を趣旨としている団体のことを言うそうです。外国では、これら「カルト団体」を取り締まる法律がある国もあるそうです。

この問題についても、やはり我々に求められる能力として、「リテラシー」が挙げられると思います。「情報リテラシー」という言葉は、中3の公民で習いますが、「宗教リテラシー」などもワードも出てきています。いわゆる、「情報収集選別能力」が、より求められる時代になってきた、典型的な事案だと思われます。

とはいえ、宗教というものは、不幸な出来事が重なり、精神的に弱っているときの心に入り込んでくるものです。なかなか完全に防ぐことは無理かもしれませんが、ご家族でそのようなサインを受け取り、注視していく必要があるのかもしれません。

この問題は、単に政治と宗教だけの問題ではないと、個人的には思います。日本の経済の長きにわたる低迷や、SNSの普及の負の側面、家庭環境の多様化など、あげればきりがありません。自分の身の周り、そして何より自分自身を守るためにも、正しい知識を少しずつ収集していくことから始めていきませんか?

関連記事