教育方針

いい子と悪い子?親も変わらなきゃ!という時代

学校と学習塾との関係

塾をやっている私が言うのも変ですが、基本は、学校です。先日、とある記事を目にしました。それは、「小学校の夏休みの宿題を全廃した学校」の特集でした。

関東や名古屋などで複数見られるそうなのですが、理由はさまざまでした。「教員の働き方改革」や「自主的な学習能力を伸ばす取り組み」などなど。中には「学習塾の宿題が忙しいでしょうから・・・」という学校もありました。また、通知表も全廃した小学校もあるとか・・・。

この記事に対するコメントもさまざまで、好意的な意見もあれば否定的な意見も散見されました。

私が子供時代を過ごした昭和末期と、今との大きな違いは、小学生の学習塾に言っている児童の数だと思います。圧倒的に今の方が多いように感じます。もちろん、子供の将来のことを考えて・・・という気持ちはよくわかるのですが、では、学習塾はどうかというと、ほとんどが昔の学校のスタイルを踏襲しているように思います。

小学生時分の塾といえば、有名私立中学受験を目標にしている生徒ばかりでした。中学生も然りだったと記憶しています。しかし、現在、中学生のほとんどすべての生徒が学習塾に入っているといっても過言ではありません。

すべてを肯定できない現実・・・

小学校の夏の宿題を全廃する・・・ということについては、完全に賛同できるものではありません。小中学校、つまり義務教育の進め方全般に言えることですが、もっと、「無駄を省く」ことを本気で取り組んでほしいものです。夏の課題だけを全廃するという、いかにも形式的な方法だけで、改善するとは思えません。

確かに、当塾でも「やらされる勉強には意味がない」と謳っていますが、これ自身、宿題を批判しているわけではありません。宿題でも、「何かを学ぼう、何かを知ろう」と自主的にスイッチを入れて取り組めば、身につくものです。要は、「心」の問題です。

この「心構え」がない人は、いくら宿題をやっても、いくら塾にお金をつぎ込んでも、成績は上がるはずもありません。「学ぼう」という気持ちがないのですから。

われわれ親の世代が変わらなきゃ!

子供の状態をみて、親御さん自身の同時期を、もう一度思い出してください。当時は、今と比べて、やることの選択肢も今ほど多くなかったはずです。その中で、本当に「学びたい!」「何か知りたい」と思って勉強してこられましたか?

ご自分のやってきたこと以上のことを、子供に求めすぎてはいませんか?これをやりなさい、あれをやりなさい・・・では、子供の能力は伸びません。何気ない遊びやコミュニケーションの中に「子供の得意」は潜んでいます。それを観察してください。そして、その部分を伸ばしてほしいと思います。

また、教育現場でも同様で、「こどもの得意」を伸ばす環境を整備しないことには、単に形式的に宿題や通知表を廃止したところで意味はありません。「ゆとり教育」が失敗したのも、この辺の整備に対して、無頓着だったためだと理解しております。

何かを変えるには、何かが変わらないと!いずれにしても、日本は「失われた30年」と人ごとのように言っていますが、ゆとり教育は30年も続いていません。根本的に「失う」原因は、いまだに横たわったままだと思います。なにしろ、日本人の共通点といえば、「義務教育を受けた」ことしかないのですから。国を再建するためには、「義務教育を慎重に改革」する必要に迫られているのではないでしょうか?

しかし、たとえ今変えたところで、成果は20年後・・・・「失われた50年」とかいっているのでしょうねぇ・・・

関連記事