教育方針

丸付け病にかかっている小中学生

①試験の点数に左右される保護者・・・・

生徒たちに、「試験の点数が下がって親から怒られたことがある人?」と問うと、約6~7割の生徒が、そういう経験があるようです。

試験の点数と一概にいっても、小学校と中学校では、ちょっと違ってくると思いますが、特に中学校に関しては、中学1年生の1学期のテストに比べて、下がっていくのは当然かと思います。

その分、論理的な考えや理解力が求められるようになりますから、ただ単に勉強量を増やしても、点数は下がる一方ではないでしょうか?

また、小学校も中学校も共通しますが、テストの範囲は、毎回異なります。考え方としては、範囲を確認し、この範囲の理解度は、たとえば60点なら、60%程度かな?という風にとらえることが肝心です。

もっと言えば、点数の上下で褒めたり怒ったり・・・って、保護者のみなさん自身が、あまり勉強していないことの証明になりませんか?

間違いをただ見直しても意味はありません

これも、よく聞く話なのですが、範囲に関係なく、同じように間違えたところのやり直しをさせる先生が多いようです。中には、評価を付けねばならないからと言って、本末転倒なやり直しをさせている先生もチラホラ見受けられます。

大事なのは、「ピンがついたところについての間違え方を分類すること」にあります。

例えば、算数・数学でいうと、「①計算ミス、凡ミス」、「②途中までは分かるけど最後まで分からなかった」、「③どうやって解けばいいかわからない」、「④問題自体何を言っているのかわからない」などといった風に、分類することが大切です。そうすることで、成績を上げる作戦も立てやすくなります。

個人的に、中学までの内容で、暗記するものって、ほとんどないように思います。また、暗記するということは、すぐに忘れてしまいます。大事なのは、忘れかけたころにもう一度見直す習慣をつけることも、本質的なテクニックの一つと考えます。

丸が多いからと言って、成績がいいとは限らない!丸付け病の落とし穴

例えば、AさんとBさんがいて、どちらもとある教科で80点を取ったとしましょう。しかし、丸のつき方にもいろいろあります。

「①きちんと理解できて解けた」、「②昨日の夜、問題を暗記したから解けた」、「③分からないから、なんとなく書いたらあってた」、「④分からないから適当に選んで丸がついた(選択肢問題など)」などなどです。

①が多い人ほど、点数と実力が伴っているわけです。②、③、④が多い人ほど、点数はよくても、実力はついていません。しばらくして同じ問題を解いても、おそらく解けないことが多いでしょう。

試験前に勉強をするのは当然ですが、その後、まったくしない子も多いようです。毎日、宿題以外に、能動的に勉強する(本を読む、日記をつけるなどでもOK)ことを継続することこそ、実力がつく時間に個人差はあれど、確実に実力がついていき、やがて、その人の人生の財産となることでしょう。

定期テストと実力テストは、根本的に違います!

中学生以降は、習った内容をある時期にまとめて試験する形式に変わります。定期テストは、その間に習った範囲の復習並びに提出物をやることは当たり前です。

実力テストは、そうはいきません。中学3年生にもなると、試験範囲が、中1、中2の全範囲、中3の部分的範囲となります。前日にこんな量をすべて勉強することはできません。従って、前日に特に何かすることはありません。あえて言えば、自分の苦手な部分を再度見てみるくらいではないでしょうか?

しかし、入試は、この実力テストの部類に入ります。ですから、直前にジタバタする暇はありません。日々の忙しいなか、1日30分でも宿題以外に能動的な学習を継続してこそ、本当の実力がついていきますし、大人になっても、さらなる学びにつながっていくことでしょう。

私は、これを、「勉強することに感想はいらない。勉強することを当たり前にするよう、潜在意識の中に落とし込もう!」と言っています。これができた生徒と、そうでない生徒で、高校生以降の成績の伸びが、まったく異なります。

当塾では、高校生以降の成績が、向上する生徒が多くみられます。このことから、この発想は正しいのかなと、勝手ながら思っています。

ある程度、勉強にフォーカスして極めた人たちは、表現は違いますが、同じようなことを言っています。そして、今の小中学校は、「昭和」で、みんな「丸付け病」にかかってるな・・・という印象は、共通して持っているのではないでしょうか?みなさんは、いかがお考えでしょうか?

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