教育方針

「マル付け病」の蔓延とその対策

勉強とは、極めてシンプルなもの

「勉強」ときくと、非常にハードルの高いもの、また、単純に「嫌なもの」と捉えられがちです。「勉強」は、表面上、国語・数学・社会・理科・英語という形で、私たちの前に存在しています。もちろん、いろいろな資格を取る場合には、これらを複合的に勉強してチャレンジするものです。

しかし、「勉強」の中身は、極めてシンプルなものなのです。

要するに「見て」、「考えて」、「答える」だけ

日本の教育、特に義務教育を見ていると、なんだか、「マル付け病」にみなさんかかってしまっているような気がします。

「マル付け病」とは、「「マル」が多ければいいこと。「バツ」が多ければ悪いこと。」という考え方というか、病気です。

みなさん、ある問題集のとあるページを解くとき、分からないところに遭遇すると、何のためらいもなく、説明のページや答えのページを参照したことって、ありませんか?

そして、解答解説の時に、合っていたら、「マル」を書く。一見、「マル」が多くて、見ていて気持ちがいいものですよね。これが、「マル付け病」です。

今の行為で何が無駄かというと、「最初から分かっていた問題」と「分からなかった問題」との区別を、わざわざ自分でなくしてしまっているのです。そして後日、同じ内容の問題を解いたとき、また同じところを間違える・・・そして同じことを繰り返す・・・・。こうなると、かなり重症です。

「バツ」をつける勇気を持て!

記述式の問題となると、さらに顕著になります。中学生を見ていると「ワーク」と呼ばれる、教科書の内容を復習する問題集が存在します。これを、範囲を設定して、自分で採点して提出させるという、非常に効率の悪い使い方をしているのが現状です。

ちらりと覗いてみると、記述式の自己採点の甘さに驚いてしまいます。

「マル付け病」を治療するには、「バツ」をつける勇気を持つことです。徹底的に「バツ」を付けてください。そこが、現時点で自分が分からないところなのです。

先ほどの例に戻ります。

ある問題集のとあるページを解くとき、分からないところに遭遇しても、スルーしてください。まずは、今分かっているところだけを解く。これが第1段階。そして、解答解説で「バツ」を徹底的につける。後日その部分だけを復習し、さらに分かっていないところを抽出する。

この作業さえ繰り返せば、成績は自然と上がるはずです。

逆に言うと、「マル付け病」が重症化すればするほど、どの塾に行っても、成績は上がるはずもありません。

「バツ」を付けること、つまり、「自分が分かっていないことをしっかりと認めること」が、勉強のいちばん大切な部分です。これって、何も勉強に限ったことではないですよね。スポーツ然り、芸術然り。少しでもうまくなりたい!と思えば、おのずと自分の問題点を抽出する作業をしていると思います。それを練習で克服し、ワンランク上の世界に行けるわけです。

要は「自分に厳しくする」ということを具現化すると、「バツ」をつける勇気を持つことにつながるのです。

本当のプロは、性格や勉強の仕方、テストの間違え方で判断する

私たち、教える側は、この辺をしっかりと見ています。成績は、あくまで「結果論」です。私の好きな野球で例えると、「打率」などにあたるのでしょうか?

その結果にたどり着くまでのプロセスを教えていくことができる人こそ、プロでしょうし、それを身につけようと努力すれば、確実に成績は上がるものなのです。

人間は、心の生き物です。いくら長時間勉強したところで、肝心なポイントが抜けていれば、ただの無駄な作業になります。

そして、将来的には、的外れな行動や主張をしたりするわけです。「地頭」がいい人は、それなりに成績を出しますが、これらのポイントの本質を理解せずに勉強している人は、たとえ学歴が一流でも、中身は三流です。実際にそういう人がたくさんいるのも事実です。

心の一流をめざして、頑張って行きましょう!

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